朝ドラ『純情きらり』の原作は、津島佑子さんが書いた「火の山―山猿記」が原案となっています。
津島佑子さんは、なんとあの太宰治さんの娘さんでもあります。
こちらでは、朝ドラ『純情きらり』の原作について詳しく紹介しています。
「純情きらり」の原作は?
朝ドラ『純情きらり』の原作は、「火の山―山猿記」です。
火の山は、講談社の文芸誌「群像」で連載されていた津島佑子さんの小説です。
朝ドラ『純情きらり』では、ヒロイン有森桜子の家族である有森家の話ですが、原作の小説でも有森家5代の歴史を紐解いた小説になっています。
有森家のモデルは?
「火の山―山猿記」の有森家は、著者・津島佑子さんの母方の祖父・石原初太郎さんの家族をモデルにしています。
石原初太郎さんは、山梨県甲府市に住んでおり、県嘱託として山梨の地質や動植物調査に携わった地質学者でもある人物です。
この石原家をモデルとして、小説では「有森家」としています。
さらに、朝ドラ『純情きらり』の「有森家」もこの石原家をモデルにしています。
火の山―山猿記のあらすじ
「純情きらり」の原作(原案)になった『火の山―山猿記』では、勇太郎が姪の由紀子に頼まれて、有森家のこれまでの歴史をまとめ手紙を物語りにしています。
勇太郎は、父・源一郎と母・マサの三男で、源一郎の祖父・伊兵衛から勇太郎の子供世代までの5代の歴史が綴られています。
勇太郎は、アメリカにわたって物理学の研究をしており、生存しているのは、勇太郎・笛子・杏子の三人だけ。
他はすべて亡くなっていますが、結核で亡くなることが多い家族です。
朝ドラ『純情きらり』の主人公・桜子も腸結核で亡くなっています。
戦中戦後の家族が生きた生と死を記録した物語で、ドラマチックなものではありませんが、一人ひとりが生きた軌跡を勇太郎の視線と伝え聞いた内容でまとめられた作品です。
朝ドラ『純情きらり』のモデル
朝ドラ『純情きらり』に登場する人物の多くは、原案の「火の山―山猿記」と同じ名前です。
有森家の中で実際のモデルとなっている人物がいます。
それは、著者・津島佑子さんのご両親です。
津島佑子さんのご両親は、小説家の太宰治さんと妻の津島美知子さんです。
太宰治さんは、朝ドラ『純情きらり』に登場する杉冬吾のモデルで、津島美知子さんは有森笛子のモデルです。
原作との違いは?
朝ドラ『純情きらり』は、「火の山―山猿記」を原案として、作られていますが、かなり話が違います。
各週ごとの純情きらりと原作の違いについては「朝ドラ『純情きらり』の原作との違いは?徹底比較まとめ」で詳しくまとめていますが、ここでは、大きく違う点をいくつか紹介します。
有森家の家族構成
朝ドラ『純情きらり』での有森家の家族構成は、三女一男の4人姉弟ですが、原作では、8人兄弟です。
ヒロイン・桜子の物語としてドラマが描かれていますが、小説では、有森家の末っ子の勇太郎が主体となった物語です。
舞台は愛知県岡崎ではない
有森家の舞台は愛知県岡崎市で、八町味噌の蔵元「山長」も岡崎市で代々続く老舗として登場します。
しかし、原作の舞台は、岡崎ではなく、山梨県甲府市です。
「火の山」とは、富士山のことで、有森家のモデルである石原初太郎さんが住んでいた場所です。
桜子は音楽学校を受験していない
朝ドラ『純情きらり』では、桜子が東京の音楽学校にいきたいと言い出し、父の源一郎もなんとか生かせてやりたいと退職後に職を探そうとしていました。
源一郎が亡くなったあとに、勇太郎は学校へ進学する気はないというものの、姉・笛子の訴えで、思いとどまります。
その後、桜子は音楽学校に受験して失敗するのですが、原作の「火の山―山猿記」では、ドラマ同様、勇太郎を進学させるべく家族も優先しており、逆に桜子については、音楽学校への進学を断念しています。
つまり、朝ドラ『純情きらり』では、激動の昭和初期から音楽を心の糧にして生きる桜の物語となっていますが、原作では、まったく音楽のことは触れられていないということです。
父と母の死が逆
朝ドラ『純情きらり』では、1話からすでに母・マサが亡くなっていましたが、原作では、父が亡くなったあとに、マサが亡くなっており、間逆です。
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