エールでは、古山三郎が子供が生まれるたびにレジスターや蓄音機を買ってきました。
古山三郎が誕生祝いで、レジスターや蓄音機を買ってきた話は、実話でしょうか?
結論からいうと、古山裕一のモデルである古関裕而さんが買ったのは実話ですが、子供の誕生祝いで購入したものではありません。
蓄音機は、子供よりも従業員のために購入しています。
こちらでは実話を詳しく解説していますが、エールと実話の結果だけ知りたい方は、「まとめ▼」をご覧下さい。
エール第2話『古山裕一誕生!』のあらすじ
こちらは、エール第2話『古山裕一誕生!』のあらすじの一部です。
ネタバレを含みますので、まだ視聴していない方はご注意ください。
明治42年の夏。
福島にある老舗呉服屋「喜多一(きたいち)」の店主・三郎と妻・まさに、待望の跡取り息子・古山裕一が誕生しました。
裕一の父・古山三郎は、老舗呉服屋「喜多一」の4代目です。
3人兄弟の末っ子でしたが、兄2人を相次いで亡くしており、継ぐ予定のなかった三郎が、4代目として呉服屋「喜多一」を継ぐことになったのでした。
裕一が生まれてすぐに、どこかへでかけてしまった三郎が、荷車に大きな荷物を乗せて帰ってきました。
従業員にその荷物を運ばせて、まさが寝ている寝室へ向かいます。
まさから「裕一が起きるから、そんなに大きな声を出さないで!」と叱られますが、まったく気にもしません。
持ってきた大きな荷物を見て、まさがなにこれ!?と聞くと、三郎は、うれしそうに「レジスターというものだ!こいつはすごいんだ!」と話します。
息子が生まれた日にレジスターを買ってきて呆れた様子のまさ。
そんなのお構いなしに、レジスターがいかに凄いものかを力説します。
ある日、突然、義兄の権藤茂兵衛が喜多一にやってきました。
茂兵衛は、福島県内でも有数の資産家で、銀行を中心にいろいろな商売をしており、古山まさの兄でもあります。
茂兵衛が、喜多一の経営はどうなんだ?と聞くと尋ねると、まさはまあまあと、歯切れの悪い返事をしました。
茂兵衛は、「毎日経営者を見ているが、ダメなやつはみんな一緒だな。」と暗に義弟を批判します。
まさもそのことを察したように、わざわざそんなのことを言いに?と言い返しますが、俺はそんな暇じゃないとさらに言い返しました。
茂兵衛は、帰り際に、桃中軒空左衛門(とうちゅうけんそらざえもん)の浪曲を聴いている義弟をみて、「蓄音機にレジスターか、くだらん。」と吐き捨てます。
ちなみに、この蓄音機は、弟が生まれた時のお祝いでした。
エールと実話の比較
さて、古山三郎が子供が生まれるたびにレジスターや蓄音機を買っていましたが、古関裕而さんの実話では、実際どうだったのか比較していきます。
実話の出所は、以下の書籍です。
次男・浩二の誕生祝いに蓄音機を買ってきた話は実話?
まず、蓄音機の話から検証していきます。
エールでは、三郎が次男・浩二の誕生祝いに蓄音機を買ってきましたが、これは実話ではなく、創作ストーリーです。
古山三郎のモデルは、古関裕而さんの父・古関三郎次さんですが、蓄音機は、次男の誕生祝いではなく、古関三郎次さんが店の使用人の娯楽用のために購入したものです。
古関裕而さんの話では、休んでいるときに、いつも浪花節などのレコードをかけていたそうです。
こちらについては、裕而さん本人が出版した「鐘よ鳴り響け」で以下のように記述されていました。
音楽好きの父は、大正初期といえばまだ珍しい蓄音器を店の使用人の娯楽用に購入し、余暇にはいつもレ コードをかけていた。
よって、エールの次男・浩二の誕生祝いに蓄音機を買ってきた話は、実話ではありません。
長男・裕一の誕生祝いにレジスターを買ってきた話は実話?
エールでは、長男・裕一の誕生祝いにレジスターを買ってきましたが、これも実話ではない可能性が高いです。
古関三郎次さんがレジスターを買った話は実話ですが、長男の誕生祝いで買ったという話はどこにもありませんでした。
蓄音機なら教育の一環として考えられますが、レジスターは事業のためと考えるのが普通です。
「評伝古関裕而」では、「ナショナル金銭登録機を店頭に備え付けるほど市内有数の老舗として繁盛していた。」と記述があるので、当時はまだ繁盛していたことがうかがえます。
古関三郎次さんがレジスターと蓄音機を買っていた話は実話なので、この話をエールに取り入れるために、子供が生まれるたびに買ってきたというストーリーにしたのかもしれません。
よって次男の蓄音機の話が創作ストーリーですので、レジスターの話も同じ創作ストーリーの可能性が高いです。
音楽との出会いが蓄音機から流れるメロディーだった話は実話か?
エールでは、蓄音機から流れる音楽に心奪われ、裕一がはじめて音楽に触れましたが、これは実話です。
こちらも「鐘よ鳴り響け」の中のくだりに蓄音機の話があり、「これが私と音楽との出会いである。」と書かれています。
古関三郎次さんが邦楽に関心があり音楽好きだったことが、古関裕而さんの音楽の道に進んだきっかけになったことは間違いありません。
エールの古山三郎がレジスターや蓄音機を買ってきた話と実話の比較まとめ
ここまで、エールの内容と実話を比較して説明しました。
レジスターや蓄音機を買っていたことは事実ですが、理由が違いましたね。
今回のエールと実話の比較をまとめると、以下の通りです。
- 三郎が次男・浩二の誕生祝いに蓄音機を買ってきた話は、創作ストーリーで、従業員のために購入していた
- 三郎が長男・裕一の誕生祝いにレジスターを買ってきた話は、創作ストーリーの可能性が高い
- 音楽との出会いが蓄音機から流れるメロディーだった話は、本当!
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